目次
前提
アドラー心理学は原因論ではなく、目的論で考えます。
怒りは目的を叶える手段であると考え、目的は何か?怒り以外に叶える手段はないのかを考えて解決方法を考えます。
イライラする理由
目的
怒りは目的を達成するための手段の一つで、達成できるかどうかは別として、引き出すことが簡単にできる力です。
状況にもよりますが、ゲームをしているときに怒りで達成したい目的はだいたい以下になると思います。
- 相手(ゲーム自体・対戦相手・仲間)を変えたいと思っている
- この関係を終わらせたいと思っている(ゲームを遊ぶこと、今の対戦相手と離れること、チームを出て行くこと)
自分を変えると言うことは非常に難しいことです。そのため、自分の周りを変えようと怒りという手段で束縛しようとしているのです。
また、自分に問題はない。悪いのは周りで、イライラする。だから、自分はゲームをやめるのだ。今の対戦相手と遊ばないのだ。チームを出ていくのだ。という理由づけをするために、怒りを利用しています。
別の報酬を求めている
アドラー心理学では、人の問題行動を5つの段階があるとしています。中でも「怒り」に関しては第3段階の「権力争い」に該当します。
「権力争い」では、正攻法では勝てないと感じたときや、報酬がもらえないき、どうしても特別な地位が得られないときに、相手を挑発などしてマウントを取ろうとします。例えば「自分は正しくて相手は間違っている」と言ったことを証明しようとする行動が該当します。
勝った後の賞賛を求めて自分の正当性を証明しようとします。ゲームからもらえる報酬(勝利やポイント、勝利報酬など)がもらえないため、代わりになる報酬である、周りからの称賛を求めて行動を取ります。
ゲームの仕組み自体がこの問題行動を引き起こしやすい仕組みでできています。報酬や罰によるコントロールは第一段階の「賞賛の要求」に該当します。人は「褒められたい」「叱られたくない」を行動の目的にしてしまうと、それらを受けられなくなったときに問題行動がエスカレートします。
劣等感を感じている
自分は他人と比べて劣っていると言った、現代の文脈で「劣等感」を使い始めたのはアドラーが初めてと言われています。
一番でなければならない。突出した能力がなければならない。上手でなければならない。そう言った「思い込み」が問題行動を引き起こしています。
解決策
ゲームの仕組みから逃れる
早い話が褒められたい・叱られたくないと言った目的を持つことから離れる必要があります。要するに報酬制・罰する仕組みから離れたところでゲームをプレイすることで、怒りを出さないといけないくらいどうしようもない場面に遭遇することもなくなります。
怒りは自分では他の手段を知らないとき、持っていないときに利用してしまう手段です。
ゲームから報酬が得られないという事象は怒っても改善しません。
上手くなりたいという目的であれば、どうしようもない怒りは湧いてこないはずです。なぜなら、上手くなりたいという目的がしっかりあるのであれば、「何が悪かったか?次どうすればいいか?」という思考しか湧いてこないはず。
「誰かのせいで負けた」という思考になるということは、「勝つ」ことか、「報酬」か、または「誰かを貶すことで自分の正当性を主張したい」と言った目的になっている可能性が高いです。
自己受容
どのように思考を整理すればいいのか?まずは自分と向き合って自分を受け入れます。できない部分があるのであれば、そこも含めて受け入れます。
変えられることと変えられないことを見極めます。
変えられないことは考えても仕方がないです。そのことを考えれば考えるほど、怒りという手段を発生させるしかなくなります。
変えられることにだけ集中して頑張って変えます。
客観的な事実と主観的な解釈を理解する
どうしようもない怒りを感じるとき、物事を主観的に解釈していることがあります。
「自分は低ランク帯で下手くそだ」
これは客観的な事実のように見えますが、主観的な解釈も含まれます。他人と比較するとどうしても優劣が見えてしまうことがあります。見方を変えると「自分は低ランク帯でこの段階まで来た」と解釈することもできます。
アドラー心理学では、縦の関係性ではなく、横の関係性を意識することを推奨しています。
人それぞれ向いている方向は違います。優劣をつけず、比較をするなら常に理想とする自分の像と比べます。他人になることはできませんが、理想とする自分を考え、そのためにどうすればいいかを考えることは現実的に可能です。