システム開発の現場にいるとBI(ビジネスインテリジェンス)という言葉を耳にすることがあると思います。
システムを導入するにあたってついでに導入したり、もちろんメインで導入することもあるBIですが、具体的になんなのか知る機会はなかなか出てこないと思います。
そこでBIについて簡単に理解してもらうためにこの記事をまとめました。
目次
BIとは?
BIとは、意思決定を支援するシステムの総称です。
経営者や企画業務を行う人にとって、自分の行動を裏付けを取ったり、他人への説明や説得をしたりするための根拠はとても重要です。
BIではデータやグラフなどの分析結果、機械学習による提案などを担当者へ提供し、そういった業務をサポートすることを目的にしています。
他のシステムとBIの違う点は?
BIが解決してくれること
システムは課題を改善するために構築されます。BIでは直接的に課題を改善することは少ないですが、BIを導入することで例えば以下のような改善が期待されます。
定例会議で作成するグラフや集計表作成の自動化
経営陣が集まるような定例会議では、時間のない経営陣のために一目でわかるグラフを作成し、パワーポイントに貼り付けるような作業が発生することもあるかと思います。こういった作業は全て手動でやろうとすると、莫大な時間がかかります。BIを導入することでこういった資料を定期的に自動生成させることができます。
経理業務の数字合わせの自動化
経理業務では毎回月末になると数字合わせに奔走することになると思いますが、BIではある程度自動化させることが可能になります。また、数字のどこが合わないのかを可視化して人が見つけるのを容易にすることができます。
異常値のアラート自動化により定期監視が不要に
膨大のデータから異常なデータを見えやすく可視化したり、関係者に自動で連絡したりさせることもBIが得意としていることです。これにより定期的に監視したり、報告するために人の手でわかりやすく加工するような作業が不要になります。
BIを構成するシステム
実際にBIを推進する場合に必要なものは以下になります。最近は便利なものが増えており、0から作ると膨大な時間と金額がかかるシステムを、購入するだけで導入できるものがたくさんあります。
BIツール
BI始めるならとりあえず何かしらのBIツールを購入することになります。
BIツールとは、GUI操作で誰でも簡単にグラフや集計表を作成できるツールになります。自動メール配信や、自動レポート出力など分析に必要な機能がたくさん詰まっています。
データベース
大規模なデータや、様々なデータを組み合わせて分析したい場合、BIツールだけで分析するには処理性能に問題が発生するため、データの保管先であるデータベースが必要になります。
データベースを用意する場合は以下を考慮する必要があります。
・データウェアハウス
・データマート
・データレイク
ETLツール
複雑な分析が必要だったり、分析の元になるデータが分析に適していない場合は、専用の加工ツールが必要になります。ETLツールは加工専用のツールで、こちらもGUI操作で素人でもデータ加工処理を開発できるツールになります。
機械学習
機械学習もBIに含まれます。最近では機能が充実してきており、誰でも扱えるようになり始めています。
BIを始めるには
早くBIを始めたい・試してみたい
BIを試すのにおすすめなのはExcelです。Excelはデータの保持から、関数やグラフ、ピボットテーブルなど、BIツールに必要なもの全て持っています。小規模であればExcelさえあれば全て賄えると言っても過言ではありません。
活用を広げたい場合はQlikSenceがおすすめです。個人利用であれば無料で扱えるためです。
予算内で着実にBIを始めたい
着実にBIを始める場合は、データウェアハウスや最低でもデータマートは構築したいところです。
技術者が多い場合はデータベースの構築から始め、そうでない場合はBIツールの導入とデータウェアハウスの導入を進めると良いでしょう。
BIの仕事をしたい!
BIがカバーする業務範囲は非常に広いため、様々な仕事があります。DXをはじめ、AI、機械学習、ビッグデータなどの影響で今後も市場が伸びることが予想されます。そんなBIを生業とする仕事を簡単にご紹介します。
BIエンジニア
BIに関する様々な業務を幅広くこなすエンジニアがBIエンジニアです。経験の浅いエンジニアでも業務をこなすことができ、その後のキャリアパスも見込めるため、BI未経験からスタートするには非常におすすめの仕事です。
詳しくは以下の記事にまとめておりますので、ご参照ください。
データエンジニア
BIエンジニアのデータ関連の業務に特化したエンジニアです。ETLやDWHの構築や整備をメインで行い、データベーススキルとプログラミングスキルが求められます。
データサイエンティスト
データを用いて分析を行う業種です。様々なデータセットを手にして、加工するプログラムを作成します。時には人前に出て、分析結果を発表することもあります。
BIまとめ
最後にここまで記載した情報を振り返ります。
BIとは意思決定を支援するシステムのこと。
システム本体で劇的な改善が見込めるわけではなく、あくまでも人が主導権を持ってシステムがサポートするシステムである。
最後までご覧いただきありがとうございました!