【受講検討中の人向け】グロービスのクリティカルシンキング感想

グロービス経営大学院が開いている授業の一つである「クリティカルシンキング」について、単科制度で受講した感想をまとめたいと思います。

私は個人で受講しました。決して簡単に払える金額ではないため、これから受講を検討している人の参考になれば嬉しいです。

受講した理由

私がグロービスの「クリティカルシンキング」を受講した理由は、仕事のスキルアップのためです。

具体的には、顧客である経営層に対してのコンサルティング業務を行うことが多かったため、説得力のある提案を行えるようになりたいと思っているときに、グロービスを見つけました。

当時会社には教えてくれる人も、そもそもスキルのある人もいなかったため、本を読んで独学で進めていました。ですが、頭がそこまで良くなかったので限界を感じ、大金を払って教えてもらおうと思いました。

経営関連の視点を持てると今後のキャリアパスにも活かせると感じて勢いよく応募を決意。

グロービス「クリティカルシンキング」について

概要

授業料:約15万円

場所:オンライン可。それ以外の場合は直接教室に集まります。

期間:3ヶ月で、2週間ごとに授業があります。

時間帯:受講するクラスによって色々で、平日の夜間や、土日も対応している。

どんなことを学ぶ?

授業は様々なものから選べますが、「クリティカルシンキング」を選択しました。

個人的な感覚ですが、「クリティカルシンキング」では、目的を達成するための手段を学ぶことができます。目的とは、問題解決にもなりますし、人の説得や、人とうまく会話することにもつかえます。非常に汎用的な目的達成ツールが「クリティカルシンキング」です。

例えば、「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」と突然質問されても答えられないですが、クリティカルシンキングでは答えを出す手法を学ぶことができます。

シカゴの人口は仮に何人いて、世帯当たりの人数やピアノの保有台数などを仮の数値として算出して答えを出します。

この、何が分かれば答えが出せるのか?を的確に考え時には仮説をもとに思考を進める手法がクリティカルシンキングです。

どんな講師がいる?

会社の経営者や報道ジャーナリストなど様々です。全てに共通しているのは実際に働いている人で副業で講師をやっている人ということです。

他の受講者はどんな感じ?

いろんな人がいました。

私が会ったのは年代は20代から50代まで。

業種についても、事務職や介護職、映像クリエイターや変わったところですと、ミュージシャンやYoutuberもいました。

目的についても様々で、しっかり目的があって黙々と実施するタイプの人や、人脈作りをしたいのかぐいぐいコミュニケーションをとってくる人や、ただただ意識が高くてアピールする人、漠然と焦りを感じていてなんとなく受講している人など、みてて面白かったです。

受講内容はどんな感じ?

3ヶ月間で2週間ごとにみんなで集まって授業します。

第1回目も含めて事前に宿題が出されるので、毎回授業の初めに宿題を近くの人と二人一組になり、お互いに発表とレビューを実施します。

そのあとは講師のパワーポイントのスライドを使ったプレゼン形式での授業と、合間に近くの人と数人でグループを作ってディスカッションを行います。

受講の雰囲気は?

講師や生徒によって変わってくるのかなと思います。

私のクラスでは担任の都合により臨時講師が授業を行うことがあったのですが、雰囲気が全然違いました。

担任はおっとりしていて、ゆっくりとした口調から緊張感のない空気感でしたが、臨時講師はマシンガントークでいろんな情報を役立つ情報を少しでも渡してくるような感じで、緊張感がありました。

授業ではディスカッションの時間が多く取られるので、生徒との相性によっても雰囲気が変わります。基本的に年齢層が高めなので大人な距離感で会話することが多いですが、20代の方は少し変わった印象の方が多かったです。

評価方式は?

評価方式は2種類で、宿題の質と、授業中の手を挙げて答えた量×質です。3か月の終わりにすべてを総合して判断します。結構講師の主観です。私の担任は「評価するなんて申し訳ないので皆さんまんべんなくなるようにやらせてもらいますよ」みたいなこと言ってました。

別に高くても授業料が免除になるとかはないのでこの評価をあまり気にする必要はないです。ですが、低すぎると単位がもらえないので、注意が必要です。

グロービス「クリティカルシンキング」の総評

全体を通して

★★★☆☆:3/5段階評価

頭のいい人は受講しなくてもできるんだろうなと思う内容でした。

宿題は予習の意味を込めて実施するためまだ教わっていないことがほとんどで、ちゃんとできないのが当たり前の中で、生徒の中には宿題のクオリティが非常に高い人もいました。

私は前から本を読んでできるつもりだったのですが、全然仕事がうまくいかず、悩んだ末に参加しました。参加したことで頭のいい人との差がわかりました。痛い受講料でした。

できないことがはっきりわかることができるので、「わかる」と「できる」のは違うということが知れてよかったです。

テキストについて

★★★★★:5/5段階評価

テキストは最高でした。これだけ欲しかったといってもいいくらいでした。個人的には受講料はこの資料の為に支払ったといっても過言ではないくらいです。本とは違い、分かりやすくかみ砕いて説明していますし、例題も豊富です。私はこれがあれば受講せずとも何とかなったんじゃないかと思っています。

受講内容について

★☆☆☆☆:1/5段階評価

受講内容はあまりよくありませんでした。

宿題

序盤の宿題は説明がなさ過ぎてどういったアウトプットを出せばよいかわかりませんでした。仕事では事前にどういったアウトプットを出せばよいのかコミュニケーションすることができますが、コミュニケーションする場は会員サイトとして用意されていますが、そこでは宿題に関するやり取りは禁止されていました。

自分で考えることが大事ということなのでしょうが、もう少し何とかならなかったのかなぁという感想です。

私は思い違いをすることが多かったので、授業開始時のディスカッションがすごい気まずかったです。

暗黙の了解が多い

なぜか生徒にはグロービスで働き始めた人が参加していたり、元卒業生がアドバイザーとして参加していたり、よくわかりませんでした。

何がわからないかというと、誰かが主導的になってみんなで勉強会を開くものだ。とか、4日目のレポート課題に向けて~とか。グロービスにかかわった人が知ってるこの講習のあるある話があるんでしょうが話に全然ついていけませんでした。

会員サイトが使いにくい

会員専用サイトで宿題を提出したり、成績を見たり、出席登録をしたりするのですが、このサイトがとても分かりにくいです。コミュニケーションもここで行うのですが、すごくストレスでした。

講師について

★★★★☆:4/5段階評価

講師は実際のビジネスの場で働いている人なので、参考になる話が多く、業界の裏話なども聞けて非常に面白かったです。また、実際の仕事の場でクリティカルシンキングを使った例なども聞けるため汎用的な使い方を学ぶのに非常に参考になりました。

・受講者について

★★☆☆☆:2/5段階評価

あたりはずれが非常に大きいです。人脈を広げようとしている人に声をかけられるのはいい気持じゃなかったです。「技術について勉強会を開いてよ」って言われることを避けるのが大変でした。

全く宿題ができていない人とディスカッションをするのはただ教えるだけになってしまいますし、逆にできすぎている人とディスカッションすると申し訳ない気持ちになるので、繊細さんな私にはとても厳しい環境でした。

・評価について

★★☆☆☆:2/5段階評価

宿題についてはなにも知識がないところから頑張ることが多いので、センスが問われるのがなんだかなぁという感想です。

手を挙げて当てられたり、いい回答をしたりするのについては講師の主観が強くなってしまうのでなんだこれ。って感じです。

グロービス「クリティカルシンキング」の感想

良かったところ

「わかる」と「できる」が全然違うことを体感

授業では宿題やディスカッションを通して実際に行う時間が多く取られています。

予習→教えてもらう→実践する→復習するというサイクルを回す中で、自分ではできるつもりだったのが全くできないことが分かるのがショックでもあり、すごく感動的でもありました。

安心して打ちのめされる経験できるのはなかなかできないことなのでとても良かったです。

異業種の話が聞ける

クリティカルシンキングでは、以下に想像力を働かせて仮説を立てられるかが重要だったりするのですが、この能力を底上げするために普段関わることのない人たちの考えていることを目にすることができるのはとても良い体験でした。

悪かったところ

人脈作りには適さない

私がこのクラスを受講した理由に、できれば人脈も作れればいいなと思っていましたが、作れませんでした。私みたいな技術者の場合は、利用しようと近づいてくるだけで、私にとってメリットのない話ばかりなので、そういった人と付き合う意味はないなと思いあまり近付きませんでした。

私のクラスの生徒の組み合わせが悪かったのかもしれません。

単科生とはいえ、入学の際のハードルはもっとあげて欲しいなと思いました。

受講を検討している人へ伝えたいこと

受けたほうが良いか?

まずはグロービスが出している本を購入して様子を見た方が良いと思います。それで何度か実践してそれでも限界を感じる場合は受講するべきです。

突然受けたとしても、2週間に一回の授業で、残りは宿題のため、結局自分で考えさせられる時間が多いです。

独学できないのであれば、受講しても一緒なので、まずは独学から始めることをお勧めします。気軽に出せる受講料でもないですし。

自分のことを棚に上げてやろう

受講する場合に絶対に意識したいのが、自分のことを棚に上げて全力でやることです。

授業では人に指摘をする場面が非常に多いのですが、これを自分ができていないからと遠慮してしまうとお互いのためになりません。

恥ずかしいかもしれませんが、思ったことをストレートに発言するようにしましょう。クラスはそういったことを安心してできる場なので。

宿題は当たって砕けろの精神で

宿題は絶対にやって、何部も印刷して持っていきましょう。どうすれば良いかわからず、良いものができないからやらないというのは絶対に避けてください。宿題を元にしたディスカッションが全くできず、授業になりません。

質が悪くてもディスカッションの時間はすごく有益なので恥は捨てて、謎の自信を持って挑みましょう。

また時間がないなどの言い訳も相手の発言を妨げてしまうので、言われたことは素直に受け止めましょう。

指摘の練習にもなるため、その邪魔はしないように。

受講前後で読んでよかった本

この授業でも教科書的に取り上げられている本。この本単体でも例となるシュチュエーションをもとにわかりやすく書かれているのでお勧め。(これで理解、実践できていれば講習受ける必要なし。)

※1冊目とは別の本です。
クリティカルシンキングを使ったコミュニケーションの取り方を中心に取り上げた本。個人的には1冊目よりも、こちらの方がわかりやすくて、理解が進みました。(結局実践できず今回の講習を受けましたが。。。)

受講した後に読みましたが、とてもいい本。クリティカルシンキングでは、イシューを特定するのが一番時間がかかるし、頭を使う。
イシュー特定周りを中心にわかりやすくまとめていてよき。

これまでの本がややこしいなと思ったら、これから始めてもいいのかなと思いました。クリティカルシンキングを実践していると、あれ?今どこについて考えていたんだっけ?ってよくなるので、この本では論点がずれないようにするコツを掴むことができます。

最後に

実はこの記事自体もクリティカルシンキングを利用して作ってみました。
受講した人はもし良かったこの記事がどのような工程で書かれたのか分析してみるとおさらいになっていいかもしれませんね。
また、意図が分かれば受講しなくても十分な能力をお持ちだと思うので、体験するだけでよいかもしれません。
クリティカルシンキングを使って実際の仕事の悩みを整理した事例をまとめてみているのでよかったらこちらもご覧ください。
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